土壁の誕生 2
街路に面してのみ植物性材料を用いたところにこの時代の特異な事情を推測しなければなりません。
つまり、土壁も上塗まで施すとすれば、主材料の白土または石灰の他に、麻または紙・・・
それに糊料としての米等・・・
当時としては高価な資材を要し、加えて施工には専門職を必要とし、全体として要する経費は荒壁だけで納める場合と天地の開きがあります。
さりとて主要街路に面して壁を荒壁程度で放置するわけにはいかず、その中間的存在として植物性材料が採用されたものでしょう。
手編みの網代はともかく、板張りの方が白璽上塗より安価であったとは、外壁リフォームがさかんな今日の常識では奇異に感じられますが・・・
権威を誇る寝殿造の大邸宅においてさえ、土塀の上塗は門脇のごく狭い範囲にしか行なわれていないことを、この際、改めて想起すべきです。