土壁の誕生
整った町並を描いた『伴大納言絵詞』の場面を見るとよくわかるのですが・・・
また稀には『石山寺縁起絵巻』のように、外壁をすべて堅固な縦板張りにしたような商家もあります。
この時代にはもちろん外壁リフォーム技術はまだ存在していません。
これらの例から考えれば、少なくとも当時の都市ないし集落の主要街路に面しては、板または網代といった植物性壁材料が一般的です。
土壁はいまだ普及していなかったとみなさざるを得ません。
既に寺院・官衙はもとより、顕官の邸宅にも一部とはいえ白墓上塗の土壁が採用されているのですから・・・
当時それが忌避される理由はなく、むしろ最高級の壁仕上げと考えられていたでしょう。
たとえ部分的であっても、中層住宅への白璽上塗の浸透に、そのあたりの事情を垣間見ることができます。
一方、地方の民家や大邸宅の付属屋等では荒壁ないし中塗仕舞の土壁が普通です。
おそらくは都市の一般的な町屋でも内壁や裏廻りにはそのような壁が存在していたものと思われます。
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