寒い日の過ごし方
寒いなりに楽しく、暑いより身と心がひきしまって新たになれます。
南半球のブラジルあたりは真夏のころでしょうし、北半球でも地中海の近くでは、限りなく透明のブルーの空の下で日光浴を楽しんでいる姿があります。
ナイル川流域のエジプトやチグリス、ユーフラテスのシュメール、ギリシアに世界文明の源流があり、そこで一月一日が年の始めとされたのは、さほど寒くなかったからかもしれないのです。
宗教者の信仰とは無縁でも、12月に入るとクリスマスの飾りが輝き、ジングルベルのリズムが商魂たくましくひびきます。
暮れが押しつまったころ、日本を離れ、大晦日の夜から元旦を異国で過ごすと、名もなき片田舎のイルミネーションに心をひかれます。
借りもののタキシード、蝶タイ姿でワインを痛飲し、ワルツを踊りましたと、ウィーンで年を越したニ男からイルミネーションの美しさの便りをよこしました。
当時のわたしの宝物といえばデュポン ライター。
唯一持っているブランド品でした。
アテネの酒場で飲んで、クラッカーの音とざわめきで、故国の除夜の鐘を思いだしたり、ロンドンのパブでその瞬間抱きついてキスをするのが無礼講だったり・・・
クラクションが一斉に鳴り出すのを合図のように、広場の噴水にとびこむ若者の姿があったことが、イルミネーションとダブって目に浮かんできます。
色とりどりの風船、レストランや食料品店のショーウインドウの飾りつけ、リボンをかけたパッケージを山のように抱えて家路に急ぐ男たち・・・。