湘南でいきものがかり・・・こつばめ2
春の山で出会うコツバメは、生まれたばかりの小さな蝶。
一〇か月もの長い間、じっと春を待っていた蛹が、ヤマザクラの花に誘われて、殻を破って飛び出して来たのである。
雄の羽の表は、いまにも降り出しそうな空の色。
反対に雌は、雨あがりの明るい青空。
羽を閉じると、ともに枯れ葉になってしまう。
幼虫は、アセビやヤマツツジの花や蕾を食べ、さっさと成長して春の終わりには蛹になる。
明るい夏も、悲しい秋も知らずに、そのまま季節を過ごし、翌春に羽をもって現れるのである。
コツバメは、眠れる森の美女。
羽を閉じて体を倒し、眠るようにして、優しい春の陽を浴びる変わった習性も、気にかかる。
湘南地方で見られる春のシジミチョウは、ベニシジミ、ルリシジミなど、およそ一〇種類。