湘南でいきものがかり・・・たらのき
ぱっと咲いて、気前よく散っていったソメイヨシノに代わって、山肌にぽつんぽつんと綿をおいたように、ヤマザクラが咲き始めた。
風のしっぽにつかまって、春の香りが移動しているらしく、大きく息をすると、鼻の奥に甘さが残る。
死んだふりをしていた木々に、それぞれの芽吹きが始まっている。
「私はすんなり若草色。うっすら紅をさしましょか。黄色を濃いめにのせました」
いずれも、湧くように、肌を破って出てくる春の色である。
トゲだらけで、白骨のようにつっ立っていたタラノキも、先端の芽がふくらんで、幼ない葉が顔を出している。
これが、山の幸を代表するタランボである。